フランスに来て、飲むようになった飲み物の一つがハーブティー。ハーブティーってなんだかものすごく飲みにくいものをイメージする人もいるかもしれない。そう、漢方薬のように。実際ハーブティーには効能があり、こちらでは漢方のような役割をしているものもある。そういったハーブティーは漢方と同じで、びっくりするほど、まずい。
近年健康志向の高いフランスでは様々な紅茶ブランドからハーブティーが販売されている。そういったものは、「美味しく飲める」ものが多い。私のお気に入りのハーブティーはパレデテという紅茶ブランドの「Garden of dream」。これは、友人にいただいたハーブティーでその後、自分でも購入するほど、好きなハーブティーだ。薬草の風味の中に、ほんのりとした甘みが感じられて、飲みやすい味。紅茶のように感激するほどの、美味しい味ではないけれど、ハーブティーは時々身体と心が欲しがるから不思議だ。
それは何故だろう。考えてみると、ハーブティーを飲む時というのは、大抵夜。慌ただしい1日が終わろうとする時は、照明を少し暗くして、静かにときを過ごしたい。そして、身体をリラックスさせ、心を落ち着かせたい。温かいハーブティーを作り、本でも映画でも見ながら、ソファーの上でだらんとリラックスするときは、何にも考えない。一日中外に向いていた意識の疲れを取るように、心と身体を休めるのだ。ハーブティーには、そんな心と身体をリラックスさせてくれる効果があるように思う。
子ども時と違い、大人になると、一日がびっくりするほどのスピードで過ぎ去っていく。一日の終わりには一度立ち止まり、身体と心をリセットしたい。昔ヨーロッパでは魔女がハーブの遣い手だった歴史があるように、ハーブティーには不思議な力があるようだ。ハーブティーでリラックスした夜は、心地よい眠りへと誘い、素敵な夢の世界へと連れ出してくれるのだ。